住宅
2026-09-20
無垢フローリングは何回削れる?削り量と残りの厚みで決まる回数
無垢フローリングをあと何回削れるのか、前に研磨した床でもまた削れるのかが気になる方に向けた記事です。そこで、削れる回数が何で決まるのかを、1回の研磨で削る量と床材の構造から整理しました。さらに、当社が公開している施工事例53件の築年数も紹介します。
無垢フローリングを削れる回数は、あらかじめ決まっていません。削れるのは表面から実(さね)の上までの厚みで、1回の研磨で削る量はBona社の資料で0.5~0.8mm程度です。残りの厚みをこの量ずつ使っていくため、過去に研磨した回数が多い床や、深い傷を削る床ほど、残りの回数は少なくなります。
この記事でわかること
- 無垢フローリングを削れる回数の決まり方
- 1回の研磨で削る量の目安
- 挽き板・突板の削れる余地とJAS表示の見方
- 前に研磨した床を削り直すときの判断材料
- 築20年を超える床を研磨した施工事例
無垢フローリングは何回まで削れますか?
削れる回数に決まった上限はなく、表面から実(さね)の上までに残っている厚みで決まります。また、1回の研磨で削る量は0.5~0.8mm程度のため、残りがこの量を下回ると次の研磨は難しくなります。つまり、同じ無垢フローリングでも、製品の厚みと過去の研磨回数によって答えが変わります。
削れるのは実(さね)の上までの厚み
実(さね)は、隣り合う板をかみ合わせるための凸凹の部分です。無垢フローリングで削れるのは、表面からこの実の上端までの部分に限られます。
そのため、床材の表示にある厚さが、そのまま削れる厚みになるわけではありません。さらに、実の上まで削り進めると、継ぎ目が欠けたり、板を留めている釘が見えたりするおそれがあります。
1回の研磨で削る量は0.5~0.8mm程度
Bona日本代理店(株式会社オカベ)のサンディングの解説では、表面を0.5~0.8mm程度削るとされています。なお、古い塗膜や傷を取り除く工程は、粗い番手から細かい番手へ3段階で研磨機をかけるのが一般的です。
ただし、削り量は床の状態と工程で異なります。特に、深い傷を消そうとしたり、板の段差を平らにしたりする場合は、1回に削る量が増えることがあります。当社の研磨の流れは、フロアサンディングの施工内容で紹介しています。
無垢フローリングを削れる回数は何で決まりますか?
無垢フローリングを削れる回数は、実の上の厚み、過去の研磨回数、1回に削る量、反りや下地の状態で決まります。そのため、床材名だけで回数が決まるわけではありません。
次の表は、回数を左右する要素と確認する方法をまとめたものです。
特に、実の上の厚みと過去の研磨回数は、床の表面からは見えにくい項目です。
また、反りや浮きがある床は、削る前に原因を確かめる必要があります。なぜなら、平らにするために削る量が増えると、残りの厚みを多く使うためです。研磨できる床とできない床の全体像は、フローリング研磨の基本をまとめた記事で説明しています。
挽き板や突板など、無垢フローリング以外の床も削り直せますか?
挽き板は、表面に貼られた天然木の厚みの範囲であれば、削り直せる場合があります。一方で、突板は表面材が薄いため、現地で厚みを確認して判断します。また、シートフローリングは化粧シートを削ることになるため、通常の研磨再生の対象にはなりません。
次に、床材の構造ごとに、削れる余地と確認することを整理しました。
挽き板と突板は、無垢フローリングと違って表面材の下に合板などの基材があるため、削れる余地は表面材の厚みに限られます。
JAS表示で表面材の厚みを確かめる
農林水産省のフローリングの日本農林規格(JAS)は、床材への表示のしかたを定めています。たとえば、表面にひき板を貼った複合フローリングは、化粧加工の方法が「天然木化粧(ひき板)」と表示されます。さらに、化粧板の厚さが1.2mm以上のものは、樹種名の後に括弧で厚さが記載されます。
一方で、化粧板が1.2mm未満の天然木化粧には厚さの記載がなく、「摩耗A試験合格」などの摩耗試験の表示が付きます。つまり、表示を見れば、表面材が1.2mm以上か未満かが分かります。
ただし、JASの表示がない製品もあり、表示された厚さのすべてを削れるわけでもありません。そのため、1回の削り量が0.5~0.8mm程度であることも踏まえ、最終的な可否は現地で判断します。住宅でよく使われる床材の見分け方は、住宅の床研磨の事例記事でも紹介しています。

前に研磨した無垢フローリングは、あと何回削れますか?
前に研磨した無垢フローリングは、そのとき削った分だけ残りの厚みが減っています。そのため、これまでに何回削ったか、今どのくらい厚みが残っているかを確かめてから判断します。なお、記録がない場合でも、現地調査で床材の構造と厚みを確認して可否をお伝えします。
研磨歴を確かめる手がかり
まず、前回の研磨を依頼した業者の見積書や施工記録があれば、研磨した時期と内容が分かります。次に、新築時やリフォーム時の仕様書、床材の品番から、製品の厚みと構造を確かめられます。
また、床材の小口(断面)が見える場所があれば、その写真も判断材料になります。当社では、お送りいただいた写真または現地調査で、床材の種類と厚みを確認しています。
これ以上削りにくいサイン
過去に何度も研磨した床では、板の継ぎ目に実の一部が見えていたり、釘の頭が表面に出ていたりすることがあります。同様に、挽き板や突板では、表面材の下の層が透けて見える箇所が出る場合もあります。
こうしたサインがある床は、研磨だけで再生できるかを慎重に見極めます。なお、部分補修や張り替えを含めて比べるときは、張り替えと研磨の比較記事をご覧ください。
築20年を超える無垢フローリングも削れますか?
築年数だけでは、無垢フローリングを削れるかどうかは決まりません。実際に、2026年9月19日時点で公開している施工事例53件のうち、築年数の記載がある49件は築4~29年でした。また、築20年以上は10件で、すべて住宅の事例です。
次の表は、築20年以上の事例から3件を抜き出したものです。
表のうち、研磨のみで仕上げた中央区の事例は1日、研磨後に水性ウレタンコーティングで仕上げた2件は2~3日でした。
なお、これらの事例ページには過去の研磨歴の記載がないため、表では築年数と施工内容だけを示しています。詳しくは、下関市の住宅の事例、相模原市の戸建住宅の事例、中央区の住宅の事例をご覧ください。ほかの事例は施工事例一覧にまとめています。
無垢フローリングがあと何回削れるか、現地調査で確認します
床材の構造、実の上に残っている厚み、傷の深さを確認したうえで、研磨できるかどうかと施工範囲をご提案します。現地調査とお見積りは無料です。
次の研磨のために、無垢フローリングの厚みを残すには?
無垢フローリングの厚みを残すには、傷の深さに合わせて削り方を決め、深い傷をすべて消そうとしないことが基本です。また、研磨したあとは、仕上げ材で表面を保護します。つまり、どちらも残りの厚みを次の研磨に回すための考え方です。
ただし、深い傷や凹みは、削り量の範囲を超えると研磨だけでは消えない場合があります。傷の深さ別の判断は、床の傷が研磨で消えるかをまとめた記事で説明しています。
さらに、Bona日本代理店の解説によると、研磨した床はそのままでは汚れやすいため、保護塗装を行います。仕上げ材の選び方は、無垢床のフロアコーティングの選び方で紹介しています。
一方で、DIYで研磨する場合は、削る量を細かく調整するのが難しいことがあります。業者に依頼する場合との違いは、DIYと業者依頼を比べた記事をご覧ください。
削り直しに向く床・向かない床は?
無垢フローリングや挽き板のうち、実の上や表面材に厚みが残り、傷や劣化が表面にとどまっている床は削り直しに向きます。反対に、シートフローリングや、下の層が見えている床は向きません。
向くケース
無垢や挽き板で表面材の厚みが残っている床は、削り直しの候補になります。特に、日焼けや変色、浅い傷が表面にとどまっていれば、研磨で木地の色と質感が戻ります(傷の深さにより残る場合があります)。
向かないケース
シートフローリングは、化粧シートを削ることになるため、通常の研磨再生の対象外です。また、釘や実が見えている床や、表面材の下の層が見えている床も、研磨以外の方法を含めた検討が必要です。
現地確認が必要なケース
突板の床、研磨歴が分からない床、反りや浮きがある床は、現地で厚みと下地の状態を確認してから判断します。このように、床材名だけでは可否が決まりません。
まとめ:無垢フローリングを削れる回数の考え方
無垢フローリングを削れる回数は、表面から実の上までに残っている厚みで決まり、あらかじめ決まった回数はありません。また、1回の研磨で削る量はBona社の資料で0.5~0.8mm程度で、研磨歴や傷の深さで残りの回数が変わります。
さらに、挽き板は表面材の厚みの範囲で判断し、JASの表示があれば厚みの手がかりになります。なお、築年数だけでは決まらず、当社の公開事例では築20年以上の住宅10件も研磨しています。
無垢フローリングがあと何回削れるか分からない場合は、写真または現地調査で床材の種類と厚みを確認したうえでご案内します。また、費用の考え方は、フローリング表面を削る費用の記事と床研磨の料金相場の記事にまとめています。
よくあるご質問
- 無垢フローリングを1回削ると、どのくらい薄くなりますか?
- 1回の研磨で削る量は、Bona社の資料で0.5~0.8mm程度です。ただし、無垢フローリングを削る量は、傷の深さや床の平らさ、工程によって変わります。そのため、実際の量は現地調査で床の状態を確認してから決めます。
- 無垢フローリングを削る前に、あと何回削れるか自分で確かめられますか?
- 仕様書や品番、JASの表示、前回の施工記録があれば、ある程度の目安は分かります。ただし、実の上に残っている厚みは表面からは見えにくいため、最終的な判断は現地調査で行います。また、仕様書などの資料がお手元にあれば、現地調査の際にあわせてお見せください。
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